俳優の佐藤浩市の「空母いぶき」の映画インタビュー記事での発言によって炎上しています。
この炎上の詳細は今回の記事の趣旨ではありませんので詳しくは書きませんが、佐藤浩市氏が発言したといわれている内容がその原因だといわれています。
それは、佐藤浩市氏が総理大臣役を引き受けるにあたって「最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。」や総理大臣役を引き受けるにあたって「彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです」という発言がそれです。
ところで、今回のニュースを詳しく知ろうと、グーグルの検索ウインドウに「佐藤浩市」と入力すると、グーグルのサジェスト機能で「韓国」というキーワードが表示されることに気が付きましたでしょうか。
今回の炎上の原因となった「空母いぶき」の原作の仮想敵国は「中国」
佐藤浩市と韓国の間には一見、何の関連性も見出せません。
なのに、なぜ「佐藤浩市」と入力するとサジェストワードとして「韓国」が表示されるのでしょうか。
これこそが、インターネットの恣意的なフィルターであり、インターネットの恐ろしいところなのです。
佐藤浩市氏と韓国というキーワードの組み合わせ
前述したとおり、グーグルの検索ウインドウに「佐藤浩市」と入力すると、グーグルのサジェスト機能で「韓国」というキーワードが第4位に表示されます。(5月17日現在)
これはグーグルのサジェスト機能といって、一定数の人が検索をしているキーワードを表示しています。
つまり、ユーザーからの一定数以上の検索ボリュームがあるということです。
多くのユーザーが調べている内容であれば検索ボリュームは増えるため、サジェストとして表示されるようになります。
検索ウインドウに「佐藤浩市」と入力すると 「映画」「発言」「百田尚樹」と続き、第4位に「韓国」と出て、そのあと「cm」「ホリエモン」「高須」という具合に並びます。
「映画」「発言」「百田尚樹」「ホリエモン」「高須」はまさに今回の炎上のニュースで出てくるキーワードですので、検索をしている人が多いのは納得です。
「cm」については、「佐藤浩市」のcmは巷で人気があるようで、検索結果としては「佐藤浩市」の人気cmといったタイトルで複数の記事が表示されます。
では「佐藤浩市」「韓国」では何が表示されるのでしょうか。
佐藤浩市は反日?
「佐藤浩市」「韓国」で検索をすると、
「佐藤浩市「下痢首相」に百田尚樹やネトウヨ激怒!2世役者は韓国人か?」
という記事が第1位に表示されました。 (5月17日現在)
そのほかにも「反日」や「在日韓国人」というキーワードの記事が散見されます。
ですが、「佐藤浩市」「韓国」をタイトルにいれた記事というのは実は、多くありません。
5月17日現在では10記事以下です。
そして、佐藤浩市氏は在日韓国人ではありませんし、反日という明確な発言もありません。
ただ単に、「いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」という発言が、「反体制派」つまり「左派」なのではと推測されているだけです。
つまり、「佐藤浩市」氏と「韓国」というキーワードの間には、特段、ネタになるような話はないといえます。
”韓国”はまったく言及されていないのになぜサジェストワード?
ではなぜ、「佐藤浩市」と入力するとサジェストワードとして「韓国」が出てくるのでしょうか。
ここからは推測となります。
「韓国」というキーワードは、実はものすごく検索需要があります。
「韓国」だけで月間100万~1000万もの検索ボリュームがあるという結果があるのです。
つまり、「韓国」というキーワードを使うと、検索する人が多いということ。
ところが、これだけ検索ボリュームがあるワードを、企業やメディアがほおっておくはずがありません。
「韓国」の文字をいれたタイトルの記事を作成しても、上位になることはできないでしょう。
そこで、今回の炎上事件です。
「佐藤浩市」は「反体制派」、つまり「反日」だ!
「反日」といえば、、、「韓国」。
だから「佐藤浩市」「韓国」というのがサジェストワードに出てきたのではという分析です。
「佐藤浩市」と「韓国」という組み合わせは、まだニッチな状態である。
よって、これからでも上位表示される可能性がある。
「反日」というキーワードは「韓国」と相性がいい(実際の話ではありません。あくまでもインターネット、メディアの世界でという意味です)。
だから、「反日」というキーワードをつかって「佐藤浩市」と「韓国」を結び付けて検索を促そう。
サジェストワードによって情報が操作されるネットの怖さ
もちろんこれは推測にすぎません。
実は私が知らないだけで「佐藤浩市」と「韓国」に何らかの関連性があるのかもしれませんし、ないのかもしれない。
でも、グーグルの検索ウインドウに表示されるサジェストワードというのは絶大な影響力を持ちます。
それはそうですよね。
検索したいワードをいれたときに、関連するワードがずらっとでてきたら、思わずそれを選びたくなるはず。
そして、そこには何か関係があるのかと思ってしまう。
「佐藤浩市」と入力して「韓国」と出てくれば、何らかの関係があるのだと思ってしまうと思います。
そこで出てきた記事のタイトルが「在日韓国人」「反日」となれば、「佐藤浩市」氏に対する誤ったイメージが独り歩きする可能性もあるのです。
インターネットは最初から誰かの恣意的なフィルターがかかっていることを心得よう
グーグルのサジェスト機能について本当のところは知る由もありません。
グーグル開発者でしか知りえない情報でしょう。
でも、だからこそ、検索結果をうのみにするのではなく、数多ある真偽不明の情報のひとつだと最初から疑ってかかる姿勢をもっておくことをお勧めします。
その意味でも、今回の「佐藤浩市」氏の炎上事件そのものも、ほんとうのところはどうなのだろうかと思うことが大切です。
「佐藤浩市」氏のイメージダウンだとも、「映画を見ない」ともいう人がいますが、確実に言えるのは「炎上したことでこの映画の宣伝になった」ということです。
私自身「空母いぶき」について特に見たいとも、内容を知りたいとも思っていませんでしたが、 少なくともここに一人、どういった映画なのか、「佐藤浩市」氏がどういった総理を演じるのか気になってしまった人間ができてしまったことは確かなのですから。
まとめ
■佐藤浩市氏と韓国というキーワードの組み合わせ
・グーグルの検索ウインドウにサジェストワード第4位に表示される
■佐藤浩市は反日?
・「韓国」という言葉によって想起される「在日韓国人」「反日」ということばであって、何の根拠もない。
■”韓国”はまったく言及されていないのになぜサジェストワード?
・「韓国」というキーワード自体が検索ボリュームが大きいため、意図的に「佐藤浩市」と「韓国」というキーワードが組み合わされたのでは。
■サジェストワードによって情報が操作されるネットの怖さ
・サジェストワードとして出てくると、人は興味をもって検索をしてしまう。その結果、事実ではないこともイメージとして先行してしまう危険性がある。
■インターネットは最初から誰かの恣意的なフィルターがかかっていることを心得よう
・インターネットの検索結果には何かしらの意図があると考えていたほうがよい。
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