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重松清著『泣くな赤鬼』映画化!収録他作品『ドロップスは神さまの涙』を読めば心が救われる

 2019年6月14日(金)『泣くな赤鬼』の映画が公開されます。  

  

泣くな赤鬼』は短編集『せんせい。』に入っている作品の一つで、この短編集は先生と生徒の関係性を、多くの個性や視点から描いた作品です。 

  

 誰しもが通過してきた「学生」という視点と、実はよくわかっていない「先生」の視点が複雑に絡み合い、あの頃の自分と重ね合わせて考えさせられる重松清氏の特徴的な作品に仕上がっています。 

  

この短編集の中の一つ、『ドロップスは神さまの涙』は『泣くな赤鬼』で向き合うことのできなかった先生が、それでもなんとか生徒に寄り添おうとしている姿、それでも何十人もいる生徒にどのように寄り添えばいいのかと苦悩する姿を描いています。 

  

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泣くな赤鬼映画公開

 

『泣くな赤鬼』はつらい物語です。

生徒と向かうことができなかった先生。

最後のときに見せる一筋の光。

それでも、自分にあてはめて向き合ってこなかった自分に地団太を踏みたい気分になる。

そんなあなたが『ドロップスは神さまの涙』を読めば、心が救われる

その理由について書きます。

  

『ドロップスは神様の涙』あらすじ 

  ドロップスは神様の涙

 

この物語は主に4人の関係で語られます。 

一見とっつきにくく怖そうだけど、思いやり深い保健室のヒデおば 

不器用で頼りないけど一生懸命な細川先生 

重い病気を抱えながらも無邪気なたっちゃん 

そして、イジメにあっている”わたし” 

  

わたしはイジメにあっていることを気付かない振りをして学校に行っています。 

まだ若く一生懸命な細川先生も気付けない。 

でも逃げ込んだ保健室でヒデおばから「ここにいなさい」と言われる。 

怒られると思っていたのに。 

そこで出会ったたっちゃんは重い病気でまだ一度もクラスに参加できてない。 

ヒデおばはたっちゃんに「ドロップス」をあげ、わたしにも「ドロップス」をくれた、、 

 

この話が持つ3つのメッセージ「優しさとは」「正しさとは」「自分色のドロップス」 

 優しさとは 

ドロップス優しさとは

 優しさとは、親切とは何かというのは私たちの永遠のテーマです。  

  例えば、優しいがゆえの嘘だったつもりが、嘘を言っても良かったのか、自分は良くても相手には良くなかったのかもしれないと、色々考えてしまうことありませんか?  

  

でも、優しさには正解はありません 

 人それぞれに優しさの形があって、色々な失敗や経験を繰り返しながらその人なりの優しさを形作っていく。  

 そこに正解はないからあなたの思う優しさで接していっていい。  

  

人それぞれの優しさでいい」これが一つ目のメッセージです。 

  

ぶどう味のドロップスを渡さないヒデおばも、  

“わたし”に踏み込んでくる細川先生も、  

何も知らずに話しかけてくるたっちゃんも、  

先生やお母さんに相談できない“わたし”も、  

みんな、それぞれの優しさなんです。  

優しさってストレートじゃなければ正解もありません。 

 

正しさとは 

ドロップスは神様の涙たっちゃん

  この物語では「正しさ」とはなんだろうかと考えさせられます。 

 

  そもそもの前提として、“教室で授業を受けなければいけない”ということはないのです。保健室に行ってもいいのです。 

つまり、“しなければいけないこと”はありません 

 保健室に逃げてもいいし、イジメのことを相談しなくてもいいし、細川先生からのアプローチを受け取らなくてもいいんです。 

あの時、細川先生の優しさの形から逃げていたから、たっちゃんと最後のお別れが出来て、ブドウ味のドロップスのからくりが分かったんです。 

そのことに良し悪しはありません。正しさもないのです。 

  

正しい形に正解はない」これが、二つ目のメッセージです。 

 

自分色のドロップス  

  

 「ドロップス」と聞くと人によって色々なことを思い出させると思います。 

  

缶がなかなか開けられないとか、好きな味が出ないとか、虫歯が出るから1日1つまでだったとか、おばあちゃんがくれるとか。  

  思い出はなくても、いわゆる“ドロップス”が持つステレオタイプのイメージが浮かんできます 

  

 知っているけどわざわざ買わない、どこか懐かしさがある、幼い頃に戻ったような気になる、等々。  

  保健室でヒデおばからもらうドロップス、と考えると、甘やかしてもらって気が緩む“わたし”の心理がありありと想像できる。 

   

 ドロップスをなめながら、ラストシーンで“わたし”が細川先生やクラスメイトのことを許してあげようか、どうしようか考えるシーンがあります。  

  “ぺろん、ぺろん、とドロップスをなめる。カチン、カチン、と歯に当たる。甘くて固くて、少しづつ溶けて、広がって、染みて。”  

  “ふふっと笑った。甘いものが口の中にあると、どうして頬がふわっとゆるむんだろう。  

 奥歯で噛んだ。かけらにして、ごくん、と呑み込んだ。 

 

 飴をなめる時こうやって口の中で転がしながら好きなように舐める。 

  誰も見てないし、ルールもないし、締め切りも評価もない。  

 

 早めに噛むのも、半分だけ噛むのも、何分で溶けきるか数えても、どんな形に噛むのかも、自分次第。  

 

イジメをしてきたクラスメイトや、今後どうするか考えるのも、“わたし”次第。  

 

  神さまが流した涙だから、私たちは何も出来ない、っていうわけではなくて、全部自分次第でどんな涙の形にもなる。  

涙には、うれし涙と悲し涙の二種類あるって、ヒデおばも言ってたし。  

うれし涙のドロップスって考えるのか、悲し涙のドロップスって考えるのか、全部、自分次第。  

ドロップスと同じ、全部自分で形づくっていくものというのが三つ目のメッセージです。。  

 

『泣くな赤鬼』を見るならと『ドロップスは神様の涙』を読むべき理由 

ドロップスは神様の涙泣くな赤鬼

 『泣くな赤鬼』は先生の立場で描かれます。『ドロップスは神様の涙』に出てくる細川先生の立場です。 

生徒ひとりひとりに向き合えなかった引退間近の先生が『泣くな赤鬼』だとすれば、生徒の気持ちを描くのが『ドロップスは神様の涙』となります。 

『泣くな赤鬼』はネタバレするので詳しくは語りませんが、物語の最後、どうしてもやるせない気持ちになります。 

それを救ってくれるのが『ドロップスは神様の涙』です。 

 

『ドロップスは神様の涙』において、「優しさ」「正しさ」「自分色」というメッセージを伝えています。 

このメッセージのおかげで、『泣くな赤鬼』を読んだあとも赤鬼は救われていいと思え、最後ほっとすることができるでしょう。 

 

 

まとめ  

「優しさ」「正しさ」「自分色のドロップス」の3つに分けてまとめました。  

  

 優しさは人それぞれ 

 正しさに正解はない 

 自分色のドロップス 

  

 日本の教育現場は画一的であると叫ばれて久しい時代ですが、先生はそれぞれの現場で苦悩しています。 

  『泣くな赤鬼』は『ドロップスは神様の涙』によって救われる物語と言ってもいいでしょう。 

 

あとがき  

 いかがでしたか。私はこのように解釈して、学校帰りの夕暮れを思うような気持ちで読みました。  

この物語の登場人物は必死に生きていて、心を震わせ、誰かのことを思いながら生きている。 

これこそが私たち読者に人を思うこと、考えること、そして誰かの心を知る機会を得る、重松清作品の真骨頂です。 

  

 『泣くな赤鬼』が映画化され、映像化によってまた新たな気づきを得られる機会が増えました。『泣くな赤鬼』の映画を見る前に、『ドロップスは神様の涙』を読んで『泣くな赤鬼』の文脈を紐解いてみてはいかがでしょうか。 

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