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今回は「健康にも環境にもよい食生活とは ~が地球を救う~」と題して、健康的な食生活が地球環境にもよいという内容についてお伝えします。
引用記事: How to eat well – and save the planet
By Helen Briggs
このニュース記事における研究結果によれば、健康的な食事は地球環境にとってかかせない、ある有限資源の節約につながるということです。
それは、地球上でもっとも慣れ親しみ、先進国においては日常ごく当たり前、でもこれがなくては生きていけない有限の資源、、、
そう水のことです。
人類がベジタリアンになれば、地球上の貴重な水の55%を節約することができ、肉食を控えるだけでも10%の節約は可能だとしています。
デイビー・バンハム博士(Dr Davy Vanham)によれぱ、
■イギリスでは1日あたり、2,757リットル、ドイツでは2,929リットル、フランスにいたっては3,861リットルもの水をヒト一人で消費しているのと同じである。
※水をそのまま使っているという意味ではなく、食物を得るために利用しているという意味です。
■肉食はやめないが健康的な食生活になれば11%から35%の水消費をやめることができる。
■ペクスタリアン(魚貝以外の肉食をしない)であれば、33%から35%の水消費をやめられる
■ベジタリアン(魚貝を含むすべての肉食、および動物性オイルの摂取をしない)であれば、35%から55%もの水消費をやめられる
と論じています。
ここで少し菜食主義の分類についてご説明します。
菜食主義はその食生活によって分類が分かれています。
もっとも厳格な菜食主義としてビーガン(ヴィーガン)と呼ばれる人たちがいます。
彼らは魚貝を含むあらゆる肉食を食べないだけでなく、卵、乳製品、蜂蜜も食べません。
一方、菜食主義の中でもペクスタリアンと呼ばれる人たちは魚貝以外の肉食をしませんが、卵、乳製品、蜂蜜は食べます。
さらに、ポロタリアンと呼ばれる人たちは肉の中でも「ホワイト・ミート」とと呼ばれる鶏肉や魚貝を食べる人たちもいます(魚貝の中には「ホワイト・ミート」の対義語「レッド・ミート」と呼ばれるものもあり、一部は食べません。)
菜食主義は欧米を中心に発達した思想ですが、日本では1928年に桜沢如一が提唱した陰陽の理論を交えた「マクロビオティック」という思想もあります。(一時期、「マクロビダイエット」として流行したのでご存知の方もいるはず)
ところで、何故肉食のほうが水を大量に消費するのでしょうか。
それは、バーチャルウォーターと呼ばれる、牛を育てるために必要となった水を換算することで理解できます。
一般的にトウモロコシを1kg育てるのに、水は1,800リットル必要と言われています。
一方、牛1kg作るために10kgのトウモロコシが必要だそうです。
牛1頭650kgから750kgだとすると、なんと牛1頭分で水が1100万リットルから1300万リットル必要という計算になります。
小学校にある一般的な25mプールが約36万リットルと言われますから、牛1頭につきプールの水を30杯ということになりますね。
ちなみに、日本が年間26万トンのとうもろこしを輸入しているアルゼンチンでは、1,000万人が飢餓にあえいでいるそうです。
では、いきなり明日から菜食主義になりましょうといっても難しいと思います。
また、菜食主義では不足しがちな栄養素もあります。(以下、参考)
「タンパク質」、「カルシウム」、「鉄分」、「亜鉛」、「ビタミンB12」、「オメガ3脂肪酸(DHA&EPA)」
ただ、これらの栄養素は菜食でも十分に得られることが知られています。
大豆はタンパク質や鉄分、亜鉛を含むスーパーフードです。
豆腐ハンバーグは肉のような食感を持つので、こうした食べ方の工夫で肉食を減らすことは十分できそうです。
また、水の消費にあまり影響しない魚貝でカルシウムやオメガ3脂肪酸を補えます。
唯一、ビタミンB12が菜食からは摂取しにくく、肉に豊富と言われています。
しかし、ビタミンB12は肉で生み出されるものではなく、微生物からしか生成されません。
実は肉に豊富と言われているのは、飼料に混ぜこまれているのです。
つまり、肉にビタミンB12が豊富といわれているのは人為的に追加されているということなのです。
であれば、サプリメントを直接摂取したほうが効率的です。
著者は最後に食生活は簡単に変えられるものではない、だが、肉食に税金を増やすといった取り組みによって変えられると結論づけています。
肉食の代替になる食品を肉に似せて販売する方法はこれから確実に伸びていく分野でしょう。