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感動!親子の物語 受験生の親じゃなくても涙なくして読めません。 「下剋上受験」 桜井信一著 【書評】

お父さん、お母さんには絶対に読んでほしい一冊です。

 

ドラマにもなったので、この題名を知っている人も多いのではないでしょうか。

 

 

でも、涙あり、笑いあり、、、なんてきれいな言葉で表せるような本ではありません。

事実は小説より奇なりとはよく言ったもの。

この物語は、事実で綴られているものです。

 

だからこそ、心に響く。

 

ここまで深くわが子を愛せるのかと。

ここまで自分を犠牲にして子供に尽くせるのかと。

 

でも、この記事を読んでいただいている方は、お父さん、お母さんで、かわいいわが子の寝顔を見て必ずこう思っているはず。

 

「この子のためなら私がどうなってもいい」

「この子がいない世界なんて想像ができない」

「自分がいくら苦しんでもいい。この子の苦しみを永遠に取り除いてやれるのなら。」

 

親の愛1

子どもが苦しむ姿を親なら誰だって見たくない。

万が一、子供が難病にかかり、肺や肝臓、いや心臓だって自分のものでわが子が救えるのなら、0.01秒だって躊躇することなく差し出すでしょう。

 

それでも、この本に出てくる父親ほど、その愛情を子供に実際に注ぐことができるでしょうか。

いま叱ってでも叩いてでもおまえが笑顔で暮らす顔を見てみたいんだ。

でもさあ、こんなにかわいいんだ。

父さん、お前がかわいい。

こんなにかわいいのに叩けないだろ。

叱れないだろ。

だから頼むしかない。あと少し耐えてくれと頼むしかない。

諦めなかったおまえがゴールでがっかりすることは100%ない。

もし合格しなかったら、父さんが何度でも頼んでやる。

どんなことしても桜蔭に入れてやる。

な、だからやろうよ。

頼むよ・・・頼む。

 

父親は中卒。

母親も中卒。

中卒の家庭に育った子供に、最難関中学を目指してがんばろう、もう少し辛抱しようと懇願する場面です。

著者である娘の父親はただ勉強を押し付けるのではない、子供と同じ目線で、子供だけに苦労させない、自分も同じ道を歩むから一緒にがんばろうというのです。

子どもにしつけや勉強をさせるとき、ただ「〇〇だから〇〇しなさい」とか、「〇〇しないと〇〇になっちゃうんだから」とかいって子どもになんとか理解させようとしますよね。

でも、子供と同じ苦労を味わう。子供が背負う苦労を同じく背負うから一緒にやろうという言葉の重みにいきなり涙がとまらなくなります。

親の愛3

 

著者であり、親である桜井さんは、真正面から自分と向き合って、心の底からわが子のことを考えます。

「娘の将来を案じる親」を隠れ蓑にして自分を飾ろうとする私の行動に、どこか違うと感じていたのかもしれない。

わが子にさせる苦労が、自分のためになっていないか。

自分がいい恰好したいがために、子供を犠牲にしていないか。

必死に考えるのです。

それでも、自分が歩んできた道のりの苦労と、いま中学受験で背負う苦労を天秤にかけて、中学受験を選びます。

それはこういう理由からでした。

 

確かに人生は途中から変われなかった。途中参加は認められなかった。絶対に合流はできないんだと何度も思い知らされた。

しかし、いつだって一斉にスタートするときの参加基準は甘いのだ。ここで参加しなければ絶対にもう近づけない。あとから近寄ろうとしても、まるで虫けらを駆除するかのような扱いを受けその土俵に立つことさえ許されないのだ。

 

日本は列記とした学歴社会。

それは紛れもない事実。

そして、学歴が人生を左右するといっても過言ではない

そのことを中卒である著者が痛すぎるほど実感をしてきたからこそ、我が子にそんな思いはさせたくない。

そのためにはいまがんばらないといけないということがいやというほどわかっているのです。

心に刻みついているからこそ、心を鬼にして、でもかわいいわが子だけにその苦労をさせられない、自分も苦労するから一緒にやろうというのです。

もう涙でにじんで文字がよく読めません。

 

 

一方で、冷静に分析をしている自分もいます。

教育もギャンブルも自分のかけがえのないものが対象だ。そう簡単に諦めるわけにはいかない。もうここまでだと冷静に判断しても、我が子が「頑張る」とひとこと言うだけで、その冷静な判断は途端に歪んでしまい捨て金を愛情だと勘違いする。

悪魔の名は「期待」である。子供が「頑張る」というのに沈着な態度で切り捨てる親がいるだろうか。いるとすれば、それは親と呼べるのだろうか。だからこそ、悪魔は親を餌食にしているのだろう。親は逃げることがない生き物だから。

 

これ、中学受験をしている親御さんなら、痛すぎる真実ですね。

我が家もまさに中学受験真っ只中。

子どもが「やりたい」という勉強を、反対できる親がどれだけいるでしょうか。

それは勉強じゃなくても、スポーツでも趣味でも、打ち込めるもの、そして本気で取り組めるものがあるのなら、それが身になるかどうかわからなくても反対することに躊躇するはず。

まして、「勉強」に関しては、スポーツや趣味以上に汎用性が効き、効果が高いことは誰しも理解していること。

「意味がないからやめなさい」とは口が裂けても言えないです。

まさに悪魔。

塾という名の悪魔

でも、我が子ががんばるという経験ができるなら、、

とほとんどの親御さんが歩んできた道のりでしょう。

 

 

頭のいい人が重要な役目をするんじゃなくて、

「ミスをしない方法を考えた人」

「ミスを防ぐ練習をした人」

こういう人が頭のいい人だったんだよ。

ミスを防ぐ方法を考え練習をした結果、ありゃ、頭がよくなっちゃった。

ありゃ、重要な仕事を任された。

という順序だったんだ。

 

頭を殴られました。

私自身、40年も生きてきて、こんなことも理解していなかったんだと衝撃すぎてめまいがしました。

「ミスをしてもリカバリをすればいい」

「次はミスをしないようにすればいい」

確かに、人間なのでミスをしないということはありえません。

だからこそ、ミスをしたらリカバリをして、次からはしないようにすればいいと思っていました。

 

でも、本当に次からミスをしないですみますか。

ミスをする人は、また次もミスをしませんか。

なぜなら、

「どうしたらミスを起こさないようにできるだろう」

「ミスを起こさないように練習をしよう」

という発想が、根本的に薄いからだと思わされました。

これからの世の中、「トライアンドエラー」とか「8割でやってみよう」とか完ぺき主義を否定する言葉をよく耳にします。

確かに、完璧をもとめて足踏みをしているような世の中ではありません。

でも、もしあなたが経営者で、部下をリーダーとしてプロジェクトをまかせようとしたとき

 

Aさんは、大きな成果をたびたび出すけれど、よくミスをして、何度もリカバリをして、そのたびに「次はミスをしないようにします」といわれてきた。

Bさんは、大きな成果はあまりありませんが、ミスはほとんどせず、仕事をきっちりとこなすタイプ。

 

この2人がいたら、どちらにプロジェクトを任せるでしょう。

Aさんに期待する人もいるかもしれませんが、自分が経営者でプロジェクトをまかせるならBさんではないでしょうか。

 

つまり、「ミスをする」ということがAさんの信頼を失わせていることにもつながっているのです。

私自身、どちらかというとAさんタイプでした。

でも、成果を出すことに注力しているのだから多少の「ミス」は仕方ないと思っている自分がいることには気づいていました。

そして、それがこの本のおかげで「信頼を失わせている」ことにようやく気付いたのです。

仕事において「信頼」は最も重要な要素といっても過言はないですよね。

 

小学生にとって、遊ぶことは重要なこと。

友達と人間関係の作り方や、社会のルール、物事の事象を学ぶのに、「遊びの時間」はそれは貴重だと思います。

それと引き換えに小学5年生からの1年5か月を、すべて勉強に捧げた著者が発した言葉にはっとさせられます。

わずか1年5か月前までは、おもちゃを与えて我が子の喜ぶ顔を見てきた。

しかし、どんなおもちゃを買ってきてもここまできらきらすることなんてなかった。

自分で何かを掴み、自分で自分を感じるときにみせるその表情は、親がそのきっかけをつくってやらなければいけないと私は思う。

親の愛2

小学生でも、何かを成し遂げて、その達成感を味わせるために苦労をさせることは悪いことではないのです。

それくらいの子供でも、もう自分のことは自分で考えられます。

むしろ、昔(戦国時代とか、、)は16歳で大人とみなされていた時期もあるくらい。

10歳になれば、物事の分別はつきますし、”責任”という言葉も、その意味もわかります。

いえ、わからせてあげるのが親の責任です。

「まだ小学生だから」

というのは親のエゴであり、現代日本の言い訳です。

もう子供には何かを成し遂げるための全力を尽くすという力は備わっているし、身につけさせてやるのも親の仕事じゃないでしょうか。

 

物語の結末は、実は冒頭で書かれています。

それでも読まずにいられない、涙なくしては読めない本です。

そして、最後のページに書かれてある、中学受験をする娘さん本人の言葉がすべてを物語ります。

最後に、お父様、お母様、そして小学生のみなさん、勉強は世界が変わります。思いっきり変わります。見たことのない世界になります。頑張るだけじゃなくて、たどり着いてください。

(トークイベント&サイン会での主人公香織さんの言葉。約100組の親子が詰めかけた会場は、すすり泣きの声に包まれていました)

 

心から勇気づけられる言葉、でも、ものすごく重要なことを言っています。

「頑張るだけじゃなくて、たどり着いてください」

そう、頑張るだけではだめなんです。

結果を出してこそ、その頑張りは報われる。

だからこそ頑張るんです。

結果を出そうとして頑張ることに意味があります。

 

この本を読んで、私は3つのことを教えられました。

 

・子供にかける愛情はここまでできる。自分はどこまでできているのか。

・成功する人は「ミスを防ぐことができる」「そのために練習する」人である。

・結果があるから頑張りがある。結果を求める姿勢がないと頑張りは意味がない。

 

ほんとうに素晴らしい本です。

受験生の親御さんじゃなくてもぜひ読んでいただきたい。

 

でも、中学受験の親御さんなら図書館で借りるのはやめましょう。

なぜなら、涙で本がどろどろになってしまうでしょうから。

 

 

 

親の愛4
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